【完】恋なんてするものか!





「俺は、3年1組の遠藤香澄が誰よりも大好きです。」




それは、公開告白だった。




隣で呆気に取られてる宮本さんに見向きもせずに。




まっすぐ前を向いて、梓はそう言っていた。




恥ずかしくて。




だけど、それ以上に嬉しくて嬉しくて。




「愛されすぎ!もう!羨ましいぞ!!」




美華にそう言われ、私は色んな感情があふれでて、そのまま涙を流した。




嬉しさと、恥ずかしさと。




体育館で直接聞けなかった悔しさと、少しでも梓と宮本さんの関係を疑ってしまった愚かさと。




『図書室で待ってる。』




ポッケの中のケータイが震えて、見ると梓からのメールが入っていた。





「黒河くん?」



何かを察したように問いかける美華に頷く。





「行ってこいっ!」




「行ってくる!」




私は図書室に向かって走り出した。




こんなにも、梓に合いたいと思ったことがあるだろうか。




早く会いたくて。



顔が見たくて。声が聞きたい。




一目散に、図書室に向かった。




───ガラガラ!




勢いよく図書室の扉を開く。