「どうせ、彼氏の前じゃ強がって弱いとこ見せないんでしょ?」
抱きしめられてるから、葵くんがどんな表情をしてるかは分からない。
でも、とても切なそうな声。
消えそうな、縋り付くような、そんな声だってことは分かる。
「俺の前では、弱い先輩を見せて.....俺の前では強がらないで。」
「.......っ、ありがと....葵くん。」
私は、静かに葵くんの体を離した。
すんなり離れた葵くんの体。
切なそうに私を見つめる瞳。
ギュッと胸が締め付けられる。
「その気持ちだけで、嬉しいよ。」
だけど、このまま葵くんの優しさに甘えるわけにはいかない。
私は梓の彼女だから。
気持ちは嬉しいけど、これ以上はダメ。
「ありがとうね、本当。」
「.......本当に何かあれば、頼ってくださいよ。ひとりで抱え込んだりしないで....」
「葵くん.....」
「彼氏として、先輩の隣にはいられなくても、俺は先輩の力になりたいです。先輩が、俺を頼ってくれるような、そんな存在になりたい。」
そこまで、私のことを想ってくれてたなんて....

