【完】恋なんてするものか!





「どうせ、彼氏の前じゃ強がって弱いとこ見せないんでしょ?」




抱きしめられてるから、葵くんがどんな表情をしてるかは分からない。



でも、とても切なそうな声。



消えそうな、縋り付くような、そんな声だってことは分かる。




「俺の前では、弱い先輩を見せて.....俺の前では強がらないで。」





「.......っ、ありがと....葵くん。」




私は、静かに葵くんの体を離した。



すんなり離れた葵くんの体。




切なそうに私を見つめる瞳。




ギュッと胸が締め付けられる。




「その気持ちだけで、嬉しいよ。」



だけど、このまま葵くんの優しさに甘えるわけにはいかない。




私は梓の彼女だから。



気持ちは嬉しいけど、これ以上はダメ。




「ありがとうね、本当。」




「.......本当に何かあれば、頼ってくださいよ。ひとりで抱え込んだりしないで....」




「葵くん.....」




「彼氏として、先輩の隣にはいられなくても、俺は先輩の力になりたいです。先輩が、俺を頼ってくれるような、そんな存在になりたい。」




そこまで、私のことを想ってくれてたなんて....