そういうと、私の上から降り、私のことを起き上がらせた。




はだけたスカートをパパッと直す。




「途中で止めたけど、このまま教室戻って授業受けられんの?」




ニヤリと笑い、そう、勝ち誇ったように言う梓。




「.....っ....」




悔しすぎるっ!



あいつばかり余裕たっぷりで。




私は今でも心臓バックバクだっていうのに。




そんなこと言うならこんな事しなければいいのに!!




「ん?続きしたいなら、まだ間に合うけど?」




なんて、とぼけ顔で言っちゃって。




「したくありませんっ!!!」




きっと、顔は真っ赤。どうせ耳まで真っ赤だろう。




「ちぇ。俺はこのまま続きしたいけどなー。」



まるで「香澄もそうでしょ?」と、言わんばかりの表情を私に向ける。




そんな顔されても、嫌なもんは嫌だもん!!




まず場所が場所だし!!!




「早く、教室戻らないと本鈴鳴っちゃうよ!?」




「へいへい。照れ屋だなー、まったく。」



渋々立ち上がった梓。



別に照れ隠しで言ってるわけじゃないし!




本当に自分に調子のいいように捉えるんだから。





2人並んで早歩きで教室に向かう。




未だにドキドキしてるこの胸をどうにかしなさいよ!!!





先に私の教室の前に着いた。




「じゃ、じゃあまた放課後。」




「さっきのこと思い出して、ボーっとするなよ?」




ニヤアと笑う梓に、ドヤ顔で



「余裕。」



なんて、言ったけど。




ドキドキが止まらず授業なんて上の空だったのはここだけの話。