【完】恋なんてするものか!






梓も、本当は少し不器用だ。



余裕ないのに余裕あるフリして。



強気に見せて、内心は弱気なところもあって。




でもそれを、隠そうとしてる。



梓は私の心の中まで分かるのに、私は全然わかってあげられてなかった。




私は不意に、梓の頭を優しく撫でていた。



なんか、拗ねた子供みたいに可愛く見えて。




「私は、大丈夫....ちゃんと、梓だけ。梓だけが好き....だよ....」



こういう時、なんて言えばいいか分からないけど。



今言ったことで、合ってるかわからないけど。




でも、それが私の気持ち。




葵くんに優しくされても。何回気持ちをぶつけられても。



それでも、私の頭の中、心の中は梓だけ。



他の人が入るすきなんて、ない。




頭を撫でていた私の手を掴んだ梓は、ジッと私の目を見つめた。





いきなり見つめるもんだから、何かと思って。



目を逸らそうかと思ったけど、逸らすことを許さないような、強い眼差し。





「香澄....」




「な、なに.....?」




色っぽく名前を呼ばれ、ドキドキと胸が高鳴り始める。




「そ、そんな目で見つめないで、よ....」



その、甘い目線はなに?



なんでそんな、色っぽく私を見るの。




これ以上見つめられたら.....心臓が飛び出してしまう。




そう思って目を逸らしてみるけど。




「ねぇ。なんで目逸らすの?」




「だ、だって、そ、そんなに見つめるんだもん...」