【完】恋なんてするものか!






真剣な顔付きの滝川くん。




気をつけた方がいいと言われても、私、何をどうしたらいいのか分からないよ。




話し方からして、きっと同い年の子。



梓と、同じクラスの子かな.....





「不安そうな顔......」




私の顔を覗き込みながら滝川くんが言う。




そりゃあ、不安にもなるでしょ。




あんな女の子らしい子からこれから告白される。




プラス、滝川くんからその子に気をつけろ、なんて言われたらさ。




平気でいたいよ。わたしだって。




不安になんてなりたくないし、気にしたくない。



だけど、そう思えば思うほど気になるし、考えてしまう。





「もしなんかあれば、俺が話聞きますから。」





「う、うん.....」





「ちょっとくらい、俺にも先輩の力にならせてください。俺はいつでも先輩の味方ですから。」





「ありがとう、滝川くん。」





「葵。」




「え?」





「俺から一つお願い。先輩に葵って呼んでもらいたいです。」





少し照れたように、滝川くんが言う。





「苗字で呼ばれると、なんか距離感じるから。せめて名前で呼んで欲しいな、って。ダメですか?」




そ、そんな捨てられた子犬みたいな目.....




それはきっと計算とかじゃなくて、無意識なんだろうけど。




でも名前で呼ぶくらい、大したことないし。




「いいよ。葵くん。」




「嬉しい.....ありがとうございます。」