真剣な顔付きの滝川くん。
気をつけた方がいいと言われても、私、何をどうしたらいいのか分からないよ。
話し方からして、きっと同い年の子。
梓と、同じクラスの子かな.....
「不安そうな顔......」
私の顔を覗き込みながら滝川くんが言う。
そりゃあ、不安にもなるでしょ。
あんな女の子らしい子からこれから告白される。
プラス、滝川くんからその子に気をつけろ、なんて言われたらさ。
平気でいたいよ。わたしだって。
不安になんてなりたくないし、気にしたくない。
だけど、そう思えば思うほど気になるし、考えてしまう。
「もしなんかあれば、俺が話聞きますから。」
「う、うん.....」
「ちょっとくらい、俺にも先輩の力にならせてください。俺はいつでも先輩の味方ですから。」
「ありがとう、滝川くん。」
「葵。」
「え?」
「俺から一つお願い。先輩に葵って呼んでもらいたいです。」
少し照れたように、滝川くんが言う。
「苗字で呼ばれると、なんか距離感じるから。せめて名前で呼んで欲しいな、って。ダメですか?」
そ、そんな捨てられた子犬みたいな目.....
それはきっと計算とかじゃなくて、無意識なんだろうけど。
でも名前で呼ぶくらい、大したことないし。
「いいよ。葵くん。」
「嬉しい.....ありがとうございます。」

