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「起立 礼」
「「ありがとうございましたー!」」
夏休みを目前に控えたある日のこと。
頭を下げ、ぞろぞろと教室を出ていく。
移動教室での授業を終え、午前中はこれで終わり。
やっとお昼休憩だ。
「お腹空いたー!」なんて、美華と話しながら教室に戻っている途中。
「やば!忘れ物した!」
ふと気づくと、ノートを移動教室に忘れてきたのに気づいた。
「まじ?取り戻る?」
「あー、私ひとりで行ってくる!先戻ってて!」
「おっけー!」
来た道を戻る。
さっきまで授業をしていた教室の机の中にノートを入れてそのまま置いてきたみたい。
教室に入ると、
「おお、遠藤。忘れ物か?」
「はい!ノート忘れちゃって!」
先生がまだ教室に残っていた。
自分が座っていた机を覗くとやっぱりノートが入っていた。
忘れたノートを持ち、教室を出ようとした時。
「いいときに来た!この資料を資料室に持っていてくれないか?」
「え、これですか?」
それはさっきの授業で使った資料。
「先生これから用事があって。頼む!」
と、顔の前で手を合わせた先生。
で、でもこの量をひとりで.....?
結構な量あるけど、困った顔を私に向ける先生。

