【完】恋なんてするものか!






***




「起立 礼」




「「ありがとうございましたー!」」





夏休みを目前に控えたある日のこと。





頭を下げ、ぞろぞろと教室を出ていく。




移動教室での授業を終え、午前中はこれで終わり。




やっとお昼休憩だ。



「お腹空いたー!」なんて、美華と話しながら教室に戻っている途中。





「やば!忘れ物した!」



ふと気づくと、ノートを移動教室に忘れてきたのに気づいた。




「まじ?取り戻る?」




「あー、私ひとりで行ってくる!先戻ってて!」




「おっけー!」




来た道を戻る。



さっきまで授業をしていた教室の机の中にノートを入れてそのまま置いてきたみたい。




教室に入ると、




「おお、遠藤。忘れ物か?」




「はい!ノート忘れちゃって!」



先生がまだ教室に残っていた。




自分が座っていた机を覗くとやっぱりノートが入っていた。




忘れたノートを持ち、教室を出ようとした時。





「いいときに来た!この資料を資料室に持っていてくれないか?」





「え、これですか?」




それはさっきの授業で使った資料。




「先生これから用事があって。頼む!」




と、顔の前で手を合わせた先生。



で、でもこの量をひとりで.....?




結構な量あるけど、困った顔を私に向ける先生。