【完】恋なんてするものか!






「別に?君が香澄に何を言おうと。たとえそれが告白だろうと。香澄は絶対に渡さないし、心移りするようなこと、俺が絶対させない。」





私と滝川くんの話を聞いていたのか、そんなことを言い出した梓。




勝ち誇ったような顔をする梓。




滝川くんも負けじと、




「先輩はそう思っていても、香澄先輩の気持ちは香澄先輩しかコントロールできませんから。」




と、反論。




お互い強気なふたりだ。



さ、さすがにそろそろやめにしない?




滝川くんも、私の気持ちはちゃんと伝えたしさ。




私は何があっても、梓が好きだよ。




色々遠回りして、やっと少し素直になって。




やっと届いたお互いの気持ち。



そう簡単に、変わるわけない。




滝川くんの気持ちは嬉しいけど。




「君の入る隙間なんて、これっぽっちもないから。別に香澄のこと好きだろうとなんでもいいけど、俺らの仲を壊すようなことと、香澄のことを悩ませるようなことしたときは、ただじゃおかないから。」




と、ドスの効いた声を出す梓。



滝川くんをキッと睨みつけてる。




「それは安心してください。でも、俺も本気なんで。なめてもらったら困ります。」





「ふっ、随分と強気だね。あとで惨めな気持ちになっても俺は知らないから。」





「そんなの覚悟のうえですよ。生半可な気持ちじゃない。それだけは分かっておいてくださいね。」




そう、滝川くんは言うと、「呼び止めちゃってすみませんでした。また。」と、人混みに消えていった。




進級早々、こんなことって......




これから先大丈夫なのー?