【完】恋なんてするものか!





どうしてこう、毎回梓の流れに持っていかれてしまうんだろう。




そんな感じも悪くないかも、なんて遂に思い始めた自分は、きっとどうかしてしまったんだろうな。




こうやって、一緒にいるようになって、どんどん梓の色に染まっていくんだと思う。




「香澄。」




「な、なによ!」




「可愛い。」




「え......あ、うん.....」




「ぶっ!何その反応!(笑)」




だ、だって.....!!





「あ、あのね!そんないきなり可愛いとか言うのやめてよね!」




「なんで?」




「は、反応に困るし、それに、可愛くないし、可愛いなんて今までそんなに言われたことないから....」




恥ずかしいというか、照れるというか。




「可愛いよ。香澄。」




「だ、だから.....っ!」




「すげー可愛い。」




「ちょ、や、やめてって!」




私を色っぽく見つめながら、可愛いと何度も言う梓。




外だよ?道歩いてるんだよ?




なんでこう、堂々とそんなことが出来るの!




「すげー、可愛すぎて、無性にキスしてー。」




「......か、帰ろ!早く帰ろ!」




「おい!」




私は、梓をおいてスタスタと歩き始める。




これ以上梓に身を任せていたら、どうにかなりそうだから。




阻止するには、無理矢理にでもこの空気を壊すしかない!




きっと私が何か発言したとしても、どうせ負けちゃうから。




後ろを振り返らず、ひとりで歩く。