「可愛い可愛い香澄ちゃん?ほかの男に媚なんて売ったらどうなるか、わかるよね?」
「はあっ!?売らないし!!」
なんて失礼なことを!!
まるで私が媚び売り女みたいな言い方!
てか、私が媚び売ったところで、こんな男勝りな女、相手にするやつなんていないわ!
「梓こそ、ほかのかわいい女の子見てヘラヘラしてんじゃないわよ!」
「してねーって!」
いつも通りの言い合い。
こうした何気ない時間がとてつもなく好きだ。
本当はあと1年。同じクラスで過ごしたかったけど。
まあ、過ぎてしまったことをクヨクヨしていても仕方ない。
どうにかやり過ごすしかないか。
「さ、イチャイチャしてないでそろそろ教室行こ!」
美華に促され、梓と凛ちゃんとわかれる。
クラスには新しくなったクラスメートが集まっていた。
見慣れない人達ばかり。
グループで話してる人もいれば、まだ話せる人がいないのか机に座ってる人もいる。
そして私と美華は奇跡的に3年間連続で前後ろの席。
いつも通り、私が後ろを向いてふたりで雑談。
チャイムが鳴ると、新しい担任が入ってきてか軽く挨拶を済ますと、始業式のため体育館に移動。
やっぱり相変わらず長い話を聞いて、始業式は終わりを告げた。

