きっともう逃げられないな。
そう確信した。
梓には勝てないし、梓からは逃げれられない。
だけど、ちゃんと捕まえていて欲しいなんて思っちゃってる自分もいて。
いつか。
ちゃんと心の準備ができたら。
許してあげる。
全部、梓にあげるよ。
絶対嫌だ、なんて思ってたっていつかやってくるでしょ?
全てを許す日が。
だって、好きなんだから。
なんだかんだ言ったって、恋してるんだから。
素直じゃなくたって。強がったって。
こころは全てを知ってる。
「香澄?」
「な、なに?」
「俺なんかのこと、好きになってくれてありがと。」
いきなり何を言い出すかと思ったら......
そんなこと.....
「こちらこそ。」
今まで、女に見られたことなんてなかった。
好きなんて言ってくれた人、いなかった。
男友達とバカやって。
女子力の欠片もなかった。
そんな私のことをこうして好きになってくれて。
ありがとう。
時には素直じゃないこと言って、突き放して。
それでも、私のそばから離れないでいてくれてありがとう。
「まさかとは思うけど、俺がしつこすぎて嫌々、とかじゃねーよな?」
「当たり前でしょ。ちゃんと私の意思。」
嫌々、誰かと付き合うなんてこと、この私がするわけないでしょ!?
そんなことするくらいなら、一生独り身の方がいいわ!

