なのに!
「あんた、何言ってんの!」
挨拶してくるを飛び越えて、朝からとんでもないことを言ったよ?
「え?昨日はどーも、て。」
いやいや。
言ったことを聞き返してるわけじゃないし。
「だから、何それ。」
「昨日のこと、忘れたの?」
ホントに、こいつは。
バカにも程があると思う。
人が必死に忘れようとしてたことを堂々と!
しかも、何も状況を知らない人の前で!?
案の定、口をポカーンとあけて私たちの会話を聞いている美華。
私にはもう、手におえません。
「さっさとどっかいってよ。」
「朝から冷たくない?」
そう、やつは言うと
「昨日、あんなことした仲なのにさ?」
と、私の耳に口を寄せて囁いた。
ボンッと顔が赤くなったのがわかる。
な、ななな、なにを、何を言うんだ!
「梓ぁ~~!」
そんなやつの名前を呼ぶ声が教室の外から聞こえた。
「じゃ、またね?」
奴は声の方に歩いていった。
嵐が過ぎ去ったようだ。
「何!なんかあったの?」
興味津々の美華。
まあ、そうなりますよね。
あいつが、堂々とあんなこと言ったりするもんだから。
「特に、何ってわけじゃ.......」
「嘘つくの!?」
い、言えるわけない!
あの状況を、話せるわけがない!
自分だって忘れたい事実なのに。
話したら認めることになるじゃん......

