【完】恋なんてするものか!






手を握って、いつもとは違う道を歩く。




梓の家までの道のり。





これから梓の家に行って、しかもふたりきりだなんて。




緊張して何か話したいのに声が出ないよ.....




付き合ってもない男の子の家にあがるなんて、普通に考えたら変なのかもしれない。




でも、梓から誘ってくれた。



私ももう少しだけでいいから一緒にいたいって思ってた。




深いことなんて、考えなくていいんだよね。




べ、べつに何かが起こるわけでもないし。




「そんな緊張しなくていーよ。肩の力抜いて!」



私の方を撫でながらそう言われる。




嫌でも緊張するよ......



緊張しない人のほうがすごいと思う。




そんなこんなで着いた梓の家。




「お、おじゃましまーす.....」




「散らかってるけど座って。飲み物とか持ってくるから待ってて。」




そう言って自分の部屋を出ていった。



少し小さくて、シンプルな部屋。




男子高生のわりにはキレイな部屋だと思う。




私はベッドの前にチョコんと腰を下ろした。



少しして梓が戻ってきた。




「ごめん、お茶しかなかった。」




「お、お構いなく.....」




「あとこれ。バレンタインのおかえし。」




そういって、可愛くラッピングされた小さな箱を渡される。