「や、やっぱり、遠藤さんと付き合ってるって噂......本当なの?」
「それは、あくまで噂。付き合ってない。」
そう......私達は付き合ってない。
だから、私が梓のことをとやかく言う資格なんてない。
「じゃ、じゃあ試しでもいい。少しだけでも.....!」
縋(すが)るような女子生徒。
「俺はもう、気持ちがないやつと付き合う気も、関係を持つ気もない。」
しかし、梓はキッパリと、その子の告白を断った。
「俺なんかのこと、好きになってくれてありがとな。確かにまだ香澄とは付き合ってない。でも、君が俺を好きな気持ちより、俺が香澄を好きな気持ちの方が大きい。それには誰にも勝てない。だから、ごめん。」
「そ、っか....!ありがとう、キッパリ振ってくれて。」
「や、こちらこそ、ありがと。」
告白した女子生徒は学校内へと戻って行った。
そしてすぐ、梓が私の方へ歩いてきた。
「わっ!え、香澄!?」
「あ、ずさ......」
「あれ、気になってついてきちゃった?」
一瞬驚きの表情を見せた梓だが、すぐにニヤッと意地悪そうな顔に変わる。
でももう、私はそんなことに気を回している余裕なんてなかった。
さっき、言ってくれた梓の言葉が胸に刺さって。
心臓が飛び出してしまいそうなほどドキドキいってる。
「全部、聞いちゃった?」
「う、うん.......」
「そっか。恥ずかしいけど、さっき言ったことが俺の気持ち。分かってくれた?」
「う、ん.....」

