【完】恋なんてするものか!






振り返るとそこには、ひとりの女子生徒が立っていた。





見たことないから別のクラスの子だろう。




「ん?」





「あ、あの、少しだけでいいの。数分だけ。時間くれない....かな.....」




そう、モジモジしながらその子はそう言った。





何となくわかる。




わかるよ.......告白、するんだよね。




「香澄、少しだけ、いいか?」





「え、あー、うん......」




本当は嫌だけど。




そんなこと言える立場じゃないし、私。




梓は声をかけてきた女の子に連れられ、中庭の方に向かっていった。





.........ど、どうしよう。




気になってしまう。




多分女の子は告白するんだろうけど。




梓はなんて言うんだろう。




ま、まさか.......受け入れたりしないよ、ね.....?




だ、だけど、断るっていう確証もない。





気づいたら、足は梓たちのことを追いかけていた。




中庭の端の方に梓とその子はいた。





「わ、私ずっと、黒河くんのことが好きで......話したことほとんどないけど、ずっと梓くんのこと考えてました。」




盗み聞きなんて、悪いこと。





そう分かっているんだけどどうしても気になってしまった。




他人の告白現場を盗み聞きするなんて、最低だな。自分。





なんて答えるのかな。梓。




私まで心臓バクバク。





「ごめん。」




低くて落ち着いた声が、耳に届いた。