「香澄、楽しみだね~。」




ニヤニヤと私に話しかけてきたのは美華。




ものすごい顔だな.....




友達にこんなこと思うのは失礼かもしれないけど。




それでもこれほど不気味な顔はそうそう見ないだろう。





「なにが。」




なんて、真顔で聞いてみるけど。




「またまたぁ!明日のホワイトデーに決まってんじゃん!」





いやでも意識しちゃうよ.......




そう、バレンタインデーからあっという間に1ヶ月。





明日はホワイトデーだ。





「きっと黒河、なにか用意してるよ!大好きな香澄のために。絶対!」





「そんなことないよ。」




期待したくない。




そう思ってるけど、自然と頭の中は明日のホワイトデーのことを考えていて。




バレンタインには手作りチョコあげたし。




お返し、くれるかな、なんて。




期待して、裏切られるのが嫌だから、本当はこんなこと考えたくないんだけどね。




心は正直だ。





「私も、蒼介くんと一緒に帰るんだー!」




「美華こそ、期待大じゃん!」




「ふふふっ。まぁーね!」





相変わらずラブラブなふたり。




そうちゃんのことだ。豪華なものでも用意してそうだな。




ふたりのことを考えると私まで幸せな気分になってくる。