私は私自身の気持ちを知ってるから、なんとも思わないけど。
黒河は辛い思いしてんのかな。
「まあ、気づいてはいるだろうけどね。黒河もそんな鈍感じゃないだろうし。」
それは、私も思ってる。
黒河は私の気持ちを探ってはいない。
どちらかといえば、私が正直な自分の気持ちを伝えるのを待っている感じ。
きっと、私が黒河を好きだってことを彼はもう勘づいてる。
それでいても、無理矢理私の気持ちを自分に伝えさせようとしてこない黒河は本当に優しい人なんだと思う。
ちゃんと、私の覚悟が決まるまで待ってくれてる。
それは昨日も言ってた。
私のことを信じてるって。
待ってるからって。
「出会った当初はあんなに嫌いだったのにね。いいやつだよね。本当は。」
知らなかった。梓がこんなにいい人だったなんて。
最悪な奴どころか、そこらへんにいる男子よりもいいやつだよ。
まさか、私があの梓に恋するなんて思ってもなかった。
でももう、こんなにも好きだ。
「黒河とだったら、絶対幸せになれるよ。香澄。私はそう思う。」
「ありがとう。」
私がこの先、楽しいとき、悲しいとき。
隣にいるのが、梓だったらいいな。
私を幸せにしてくれる人も。
私が幸せにするのも。
梓だったら、いいな。
───そして、運命の日がやってくる。
ずっと逃げていた私がちゃんと向き合う日。
バレンタインデーから1ヶ月。
運命のホワイトデーがやってきようとしていた。

