私の体を少し離した梓。
「目、瞑って?」
そう言われ、少し警戒しながらも。
それでも言う通り、目を瞑る。
───チュ
「っ!」
「これくらい許せ!」
私の頬にキスを落とした。
驚きのあまり目を開けると、間近に梓の顔があり余計にドキドキが増した。
本当にこの人は、人前だろうが外だろうが、そんなこと関係ないんだな......
恥ずかしいという感情はないんだろうか。
それならそれで尊敬してしまう。
「さみーし、暗くなったし、そろそろ家入んな!」
「うん、あ、りがとう......気をつけて帰ってね。」
「さんきゅ!香澄も、温かい格好して寝るんだよ!」
「うん。」
「じゃ、また学校でな~」
ヒラヒラと手を振りながら梓は歩き出した。
背中が見えなくなるまで、見送ろうかな、と思っていたけど。
「おい!見送りなんかしてないで家入れ!風邪ひくぞ!」
くるりと振り向いた梓にそう言われ、渋々家に入った。
ちゃんと、心配してくれる.......
冬で気温は低くて寒いけど、心の中はポカポカしていた。
次の日。
「どうだった?黒河とのカフェデート!」
目をキラキラさせながら美華に聞かれる。
そ、そんな眼差しで聞かなくても。
「た、楽しかったよ.....」
「うん、それで?進展は!?」
し、進展.....
そう、言われましても.....
なんか、進展したっけ?

