【完】恋なんてするものか!






そう、頭ではわかっているのに。




体は動かないし、声も出ない。




私の弱虫!




で、でも......このタイミングを逃したら。





次、いつチャンスがくるかわからない。




このままずっと、後回しにしていてもいいことなんて、きっとないよね......




だ、だけど........今の私にはこれが精一杯で......




きっと、恋したことある人からしたらバカだって思われるんだろうけど......





ど、どうしよう.......




この流れに乗って......私の気持ちを全部、伝えたしまおうか......




「大丈夫。待ってるから。」




どうしようかと、ひとりで悩んでいた時。




そんな声が上から聞こえた。





優しく響く、梓の声。





「香澄が気持ちの整理ができるまで。香澄の心が決まるまで。ちゃんと待ってるよ。まあ、俺は容赦なくアタックさせてもらうけど。香澄のこと、信じてるから。」




きっと、もう私の気持ち、知ってるんだろう。




だからこそこうやって言ってくれてるんだよね。




待ってる、って。私のこと信じてる、って。




「今は、嫌いじゃないって、その言葉で充分嬉しいよ。ありがとな。」




私を抱きしめ、頭を撫でながら。




梓はそう言った。




本当。根はとても優しい人なんだ。



その優しさに甘えてばかりだね。




ごめんね......



でも、伝えるから。



いつか、必ず。




ううん、近々、絶対に。