【完】恋なんてするものか!






きっと......私のこのドキドキとうるさい胸の鼓動は、梓にバレてしまっているだろう。





鼻を掠める梓の匂い。




少しだけ、なんて言っていたけど。




未だに離す気配はなく。




だけど、もうちょっと....もうちょっとこのまま.....




そんな気持ちが心を支配し始める。





「なあ.....俺にこうされるの嫌か?」




私を抱きしめながら、ゆっくりとそう聞かれる。




嫌なわけ......ないじゃん。




現に、もっとこのままでいないなんて、思ってしまっているんだから。




「別に......い、や......ではない、よ......」




「じゃあ好きなの?」




「......」




そんな、聞き方.......されても.....




答えに困って何も言えなくなる。





「嫌じゃないってことは、好きってことでしょ?」





「そ、それは......」




「じゃあ俺のことは好き?」




「......嫌いでは、ない.....」




「ふっ。じゃあ、好きなんだ。」




なんか、勝手に断言されちゃったし.....




でもそれは事実で。



ただ私が、梓に想いを伝えていないだけで。




好き、だよ......




梓のこと....




私がもし、ここで頷いたら。




ここで、好きだって言ったら。




今までのことが、全部解決するんだよね。