【完】恋なんてするものか!





「今日は、誘ってくれてありがとな。」




「や、こちらこそ急だったのに....」




「気にすんなって!香澄とふたりでいられて、楽しかったし!」




またそういうことを不意打ちでいう。



ポーカーフェイス気取ってるけど、内心はとてもうれしい。




そう言ってくれてること。



梓が私に言ってくれる言葉でいちいちドキドキしてるし。




「なあ。」




「ん?」



「ちょっとでいいんだけど....」



「うん....」



「抱きしめてもいい?」



「.....」



返事に困り、何も言えなくなる。



ここ、外だし....誰かに見られたら大変。



.....だけど.....




それでも、少しだけなら抱きしめられてもいいかな、なんて思ってたり.....





「ごめん。ダメって言われてもする。」




そういうと、私の返事を待たずに正面から抱きしめられる。



私の家の前。




いつ誰がこの道を通ってもおかしくはない。




それなのに、心は温かくて。





ドキドキと高鳴る胸も、なんだか心地よくて。




抱きしめながら目を閉じると、ずっとこのままでいられるな、なんて思って。




ゆっくりと、梓の背中に手を回していた。




それに気づいた梓は、ギュッとさっきより腕に力を入れ抱きしめる。




それに応えるように、私も少しだけ腕に力を入れる。