【完】恋なんてするものか!





先に歩き始めた梓の後を追う。



「あ!あの、さ......」




「んー?」




「このあと、予定とか....あるの?」




「ないけど....どして?」




「あ、えっと.....これ.....もらったから....」




私は、美華からもらった割引チケットを2枚、梓に見せた。




「ふっ。うん。それで?」




「だ、だから.....わ、わかるでしょ!?」




「ん?なにが?」






こいつは絶対、察してる!



絶対わかってる!!




わざとわからないふりしてる!




「美華にもらったの!」




「おう。よかったな!」




「に、2枚くれて.....だから.....」




「うん。言ってみ?ゆっくりでいいから。」




なんかもう、自分が何言ってるのかわからなくなってきた。



頭ぐちゃぐちゃ。



たかが駅前のカフェに誘うだけで、こんなにテンパるなんて.....




それでも、最後まで私の気持ちを聞こうと、優しいまなざしを向ける梓。




そんな言い方するのは、反則でしょうが.....



「い、一緒に.....」




「うん。」




「い......こう.....」



聞こえるか聞こえないか。




そのくらい小さい声だったと思う。



うつむき加減に言ったし。




「よく言えました。」



私の頭をワシャワシャと撫でる。



髪の毛崩れるじゃん!!




なんて思いつつも、頬は緩んでしまって。



こんな些細なこと伝えるだけで胸がドキドキ忙しくなる。




こんな私って、変なのかな?



「うっしゃ!ふたりで行こうぜ!」




と、張り切る梓。