その人を小馬鹿にした感じの表情、やめてくれないかな。
「ま、俺の話してくれてたなら、それはそれで嬉しいけどな?」
「でも、いい話だとは限らないよ?」
実際、梓の話はしていたんだけど。
ほら、もしかしたら悪口かもしれないし。
いいこと話してるとは限らないじゃん?
「じゃあ、俺の悪口を言っていたと?」
と、グッと顔を近づける梓。
ち、近いなあ.....
「も、もしもの話じゃん。」
「じゃあ、俺のいいとこでも言ってくれてたの?」
いや、だから。
梓の話をしていたとは限らないじゃんて。
話していたのは事実だけど....
なんか、ややこしくなってきた。
「あー、暑いなあ。見てるこっちが恥ずかしいんですけど。」
わざとらしく手をうちわ代わりにパタパタしながら美華がそういう。
そ、そんなに?
私は普通に話しているつもりなんだけどな。
まあ、確かに梓の顔は近いけどさ。
「ったく、付き合いたてのカップルだって人前でそんなイチャイチャしないっての。」
「本当、ラブラブなんだから。」
ちょ、ちょっと?おふたりさん?
カップルとか、イチャイチャとか、ラブラブとか。
恥ずかしいからそんなこと言うのやめてくれません?
て、ていうか!
「ラブラブなんかじゃないんだから!!」
凛ちゃん、シレっとそんなこと言うけどね?
普通に話してるだけだからね?
「またまたー!照れちゃって!ねえ?」
「強がっても、いいことないよ?」
美華と言い、凛ちゃんと言い。
私のことをいつもからかってて、飽きないのかな?

