「やっぱあるじゃん。」
「あ、ああ、あんたが図々しく作れなんて言うからでしょうが!」
「それでも、ちゃんと作ってきてくれたんだ。で、俺のことも待っててくれたんでしょ?」
「.......そ、れは。」
「ありがと。」
そ、の、笑顔は反則でしょうが......
本当に、厄介なやつだよ。
手に負えないよ、私には。
「あーん、してほしいなあ。」
「調子乗んな、さっさと食え。」
「おお、恐ろしい。」
綺麗にまかれた、て言っても私が適当にラッピングしたんだけど。
包装紙を開け、チョコを口にはこぶ。
手作りだし、あんまり自信ない。
「ん、うまい。」
でも、梓がそう言ってくれるならよかった。
「ふふっ、よかった。」
誰かのためにチョコなんて作ったことないから。
こうやって、食べてもらって、美味しいって言ってもらえて。
こんなに嬉しいんだ。
「ありがとな。」
改めてお礼言われると.....どう返したらいいのかわからない。
いやね?素直にいいえ、とか言えばいいんだろうけどさ。
なんかそれもそれではずかしくて.......
「......べつに。」
素っ気ない態度取っちゃう私を、どうか許して。
素直になるって、言ったけど。
そううまくできない。
いざ、素直になろうと思うと恥ずかしくて。
「そーいやー、香澄もすげーチョコもらってたよな。」
「なに、妬いた?」
仕返しでそういってやったつもり。
「うん。妬いた。」
なのに、なんで私が負けたみたいになってんの?

