緊張しながらも、とても楽しそうに梓の話をする凛ちゃん。
そんな彼女の話を、私はただ聞くことしか出来なかった。
「香澄ちゃんは、本当に渡す人いないの?」
「え.......あ、義理チョコで?仲いい人にはあげようかな、と.......」
「えー、本命いないのー?」
「っ........いっ、いないよー!!」
あー、自分のバカっ!!
本当のこと伝えるなら今がチャンスだったじゃん!
この根性なしが!
「そっかー。いつか見つかるといいね!」
「う、うん......」
私って、正真正銘のバカだな。
凛ちゃんとは途中の道でわかれた。
なんか、今日はどっと疲れたな。
1日気が張ってた気がする。
そしてあっという間にバレンタインデー当日。
頭の中はずっと凛ちゃんと梓のことばかり。
「ちゃんと作ってきたんでしょうね。」
「作りましたよ......」
一応、チョコは作ってきた。
だけど........
「く、黒河くん、これどうぞっ!」
「わ、私からも........!!」
渡せるわけねー!
あんな女子の群れの中に入ってチョコレート渡せって!?
無理がある!!
さすがモテ男の梓だな。
朝から絶えず女子達がチョコを渡しにやってくる。
だけどそれは、梓だけではなくて......
「香澄ちゃん、これよかったら食べて!」
「遠藤先輩!これ、私からです!」
私にもチョコレートの山が。
ありがたく受け取るけど、こんなにたくさん消化するのが大変。

