バレンタインデー2日前。
衝撃の事実が耳に入る。
「私......バレンタインの日に告白しようと思うんだ。」
そう、凛ちゃんは照れながら私と美華に話した。
「ぇ.........」
凛ちゃんの言葉に、声も出なかった。
美華も、私の気持ちを知ってるから、気まずそうな表情だ。
「チョコ、渡す時に一緒に。」
「そ、そうなんだ!それは緊張だね!」
美華がそう凛ちゃんに言った。
私は、どう頑張ってもなんの言葉も出なかった。
ど、どうしよう......
凛ちゃんが、梓に........
嫌な胸の鼓動。
凛ちゃんの顔を見ることすらできず、目が泳ぐ。
「今からすごく緊張してて。心臓が飛び出ちゃいそう。」
美華と凛ちゃんの会話が続く。
ついさっきまでの、バレンタインへのドキドキは、すっ飛んでしまった。
もしかしたら、凛ちゃんの告白を受け入れちゃうかもしれない。
そしたら私は失恋することになる。
恋なんてしたことないから、もちろん失恋だってしたことなくて。
「か、香澄ちゃん?大丈夫?目がうつろだけど。」
「へ?あー、ごめんごめん、考え事してて。こ、告白なんてすごいね!」
「うん.....告白するのって結構勇気いるよね!」
私今、ちゃんと笑えてる?
違和感とか、ない?
大丈夫だよね??
なんとか言葉を紡いで、凛ちゃんと美華の会話に入る。
だけど、頭はもうパンク寸前。