【完】恋なんてするものか!






恋する女の子の一大イベント、バレンタイン。






ワクワクドキドキしている周りとは裏腹。





私の心の中にはモヤがかかっていた。






ど、どうしよう......





あげる相手、を考えたらひとりしかいないんだけど。





でも、私なんかがあげていいのか?





あげるスキがあるのか?






凛ちゃんの恋を応援すると言ってしまったからには、たとえ梓にチョコをあげようとも、凛ちゃんには知られてはいけない。






そんなこと、可能なのか?






だけど、義理チョコとしてみんなにあげながらその中のひとりとして梓にあげるのもなんか違う気もするし......






どうせあげるなら、少し特別にしたいな、なんて.........





高望みしすぎ?






「香澄ちゃんは?誰かあげる人いるの?」






「え.....ああ......ど、どうかな?」





凛ちゃんの言葉にしどろもどろになる。






ま、まあバレンタインくらい、別にそんなに特別感出さなくてもいいよね?






ちゃちゃっと流れで軽く渡せば。





いつものノリで。






「えー、香澄ちゃんからチョコもらいたい人、たくさんいそうだけど!」






「なわけないじゃん!期待してないよ、こんな男みたいな私に!」






「香澄は逆に、もらう側だもんね(笑)」






「なぜかね。」





バレンタインは女の子から男の子にあげるのが普通なんだけど。






なぜか私は、女の子たちからチョコをもらう。






顔をほのかに赤らめながら、チョコをくれる。





嬉しいんだけどね?




なんかちょっと違和感。