だけど.....凛ちゃんはなんの悪気もなく、私に梓とのことを嬉しそうに話してくる。
私のこと、友達として慕ってくれてるんだな、って嬉しく思うけど。
反面、どうやって返せばいいのかわからない。
私、ちゃんと笑えてるだろうか。
違和感なく、一緒に喜んであげられてるだろうか。
凛ちゃんの話を聞くたび、胸が痛くて。
凛ちゃんに、全部言ってしまいたい。
自分も好きなんだって。
だから、心から応援することはできないんだって。
だけど、この純粋な笑顔を壊してしまうのが怖くて。
凛ちゃんを敵に回すことなんてできなくて。
何をすることもできず、パッとしない関係が続いた。
錯覚なのかはわからないけど。
梓との距離も開いてしまってきてる気がする。
梓がどんどん凛ちゃんの方に流れてしまってる気がする。
自分からなにかアクションを起こせばいいのに。
何もしない......何も出来ない自分に嫌気がさしてくる。
そんなこんなでやってきた2月。
世の中は、あと2週間ほどでやってくるイベント。
そう、バレンタインデーのムードが漂っている。
片想いの相手、恋人、友達。
みんなワクワクしている。
それは美華も。
そして、凛ちゃんも一緒で。
美華はそうちゃんに。
凛ちゃんは梓に。
どんなチョコをあげようか、悩んでいた。

