梓のことが好きだって気持ちは、離さないように。
ちゃんと、しなきゃ。
そう、心で思ってはいたけど.......
「完敗ですね、これは。」
と、机の上でうなだれる私に苦笑いの美華。
それもそのはず。
完璧、凛ちゃんに流れを持っていかれてる。
梓は梓で私にちょくちょく話しかけてきてはくれるけど。
誰がどう見たって、凛ちゃんといる時間の方がかなり長い。
クラスのみんなも、ふたりをお似合いだっておだてるもんだから。
そんな空気をぶち壊して、私が梓の隣を堂々と奪うことも出来ず。
ただただ遠目で見てるしかできなかった。
「もっとガツンと行ってやんなさいよ!」
「でーきーなーいー.....」
「情けないなあ。恋のことになると。」
「.......ニヤニヤしないで。」
「だって、こんな香澄みたこもないんだもん。なんか可愛く見えてきて。」
どこが可愛く見えてきて、よ。
もうお手上げ状態だっていうのに。
梓の隣にいる凛ちゃんは、それはもう幸せそうな表情で。
そんな顔も様になってるなあ.......って感心してる場合じゃないっての!
なんであんなに可愛い子が恋敵なんかに......
このままじゃホントに凛ちゃんと梓が恋人になっちゃうよ.......
そう思うとチクッと胸の奥が痛くなった。
これが恋なんだな、って実感する。
こんなにわがままになるなんて。
こんなに独り占めしたいなんて思うなんて。

