【完】恋なんてするものか!







「やけに素直なのな?今日は。」





ニヤニヤしながら、あいつはそういう。






なんか、そう言われるとムカつく。





私が素直になったらいけないわけ!?







まあ、普段素直じゃないし。そう言われるのは仕方ないけど。






「うっさい。」






「ま、俺が素直なほうがいいって言ったしな。」






なんでこんなに安心するんだろ。






梓と話してるだけで。





そんなやり取りをしていると。






「あずくん。」





綺麗な声が近くから聞こえた。





いつの間にかクラスメートの輪から抜けた栗原さんが私の机までやってきていたのだ。






うわ.......近くで見ても美人。





どこを見ても完璧。






「おお、どした?」






「本当に、久しぶりだな、って思って。」






「あー、だな。何年ぶりだ?」






「10年くらい?かな。」






「そんくらいだな。急に帰ってくるから驚いた。」






目の前で繰り広げられるふたりの会話。






今まで見たことない表情の梓。





この顔が幼馴染にする顔なのか。





ほかの女の子や私と話してる時とはまた違う表情。





ズキっと胸が痛む。





だめだ。考えたら。





別に付き合ってるわけでもないし。





私がここでモヤモヤすることに意味なんてないんだから。






「はじめまして。栗原凛です。」





私たちを見て自己紹介をしてくれた栗原さん。






「私、大澤美華!仲良くしてね!」






「遠藤香澄です!よろしくね。」





続いて自己紹介をする。





「黒河くんとは幼馴染なんだってね?」






「そうなの!小学1年のときまでは近くに住んでたんだけど2年生に上がるのと同時に引っ越して。親の都合で戻ってきたの。」






この高校に引っ越してきた経緯を話してくれた。