【完】恋なんてするものか!







クリスマスイブや、クリスマスを特別な日だと思ったことは一度もないわ!






小さい頃はサンタさんが来るの楽しみにしてたり、今も家族で少し豪華な料理を食べたりするけど。








それ以上なにもない!








「年に一度のクリスマスよ!?恋人同士のイベントよ!?」







「だから何よ!恋人なんて私にはいませーん!」







「またまた、そんなこと言って!頭の中にある人の顔浮かんでるくせにぃ~!」







「.......う、浮かんでないわ!」







「あ、今浮かんだでしょ?黒河くんの顔。」







「なっ.......!?」







せ、洗脳されてる......




怖いよー!





私も私で、なんであいつの顔なんて浮かんじゃうんだろう。






別にクリスマス一緒に過ごしたいとか、一切思ってない!






むしろ家族でご馳走食べる方が楽しいもん!絶対に!!!







「そろそろ自分でもわかってるくせに!」






そうやっていつも私のことをからかう......





最近私をからかってる時、生き生きしてるよ、美華。






そんなに楽しいかね.......






「私は何も知りませーん。」






「はいはい。いつになったら素直になるんだか。」






いつになったらからかわれないですむんだか。






「美華は楽しんでくるんだよ!イルミネーション!」







「楽しむに決まってる!寒さなんて吹っ飛ばしてやるんだから!」






と、張り切っている美華に穏やかな気持ちになる。






本当にお似合いのふたりだな、って。





きっとこのまま結婚までいってもおかしくないと思う。






ふたりともとてもいい人だから。