なんであそこでモヤモヤしてたのか。
なんで楽しそうな梓の姿から目を背けたくなったのか。
自分でもわからないんだよ.....
「少なくとも、もう俺のこと嫌いではないだろ?」
「べ、つに、嫌いでは......ないよ......」
嫌いかって聞かれれば、そう答えられる。
でも、好きなのかって聞かれても答えには困る。
「正直に答えて?俺にヤキモチ妬いたの?」
「わかん、ない......っ......」
「なんで?俺が他の女の子と楽しそうにしてるの見て、どんな気持ちになる?」
また始まる、梓の質問攻め。
私、これには勝てないんだ.......
どうやっても逃げることが出来ない。
「どんな気持ちになるか、教えて?」
そうやって、甘く攻められるとなぜか素直になっちゃうから......
言うつもりもないこと、ペラペラ喋っちゃうから.......
「わかんない、けど......モヤモヤして......見てられなくなる......っ....」
ほら、ね。
こんなこと、口が裂けても言いたくないのに。
なぜか言ってしまうんだ。
「それ、ヤキモチっていうんだよ?」
国際通りで、こんな空気になるなんてありえるのだろうか。
私たちふたりだけ、別世界にいるようだ。
手をつなぎながら、立ち止まって話している私たち。
ガヤガヤと賑わっている国際通り。
私たちのことを気にする人はほぼいないけど。
誰かに変な目で見られたっておかしくないこの状況。
「香澄、俺にヤキモチ妬いてくれたんだ?」
と、とても満足そうな笑みで言う。
やき......もち........
だからなの?
ヤキモチを妬いたから、梓が他の女の子と楽しそうにしているのを見てられなかったの?
モヤモヤしたの?

