別に拗ねてなんてないけど。
機嫌悪くもないんだけど。
甘やかされてる感じが、嫌なような、嫌じゃないような。
「べ、別にすねてなんてないから.......」
「そう?それならいいんだけど。せっかくだし少しだけふたりでまわろうぜ。」
シレッと私の手を繋ぎ、歩き出した梓。
「なによ、この手は。」
「はぐれないように、って言うのは口実~。」
それ、答えになってませんけど。
この当たりは同じ学校の子とか、同じクラスの子がいるんだよ!?
見られたらどうするのよ!
「ねえ、学校の子たちに見られるよ。」
「それがどうしたんだよ。」
「また、噂が広がるって!」
「いいじゃん。いずれは本当の恋人同士になるんだし。」
とんでもない能天気男だな。
呑気に鼻歌なんて歌って。
ムカつくからその鼻、へし折ってやろうか!?
またヒソヒソとありもしない噂を流されるんだろうな。
慣れてるといえば慣れてるんだけどね。
「なあ。」
「なによ。」
「本当に俺にやきもち妬いてたの?」
「またその話!?」
どれだけ掘り返すの!
そのせいで色々ややこしくなったって言うのに。
「だってさ、もし本当に妬いてくれたんなら嬉しいじゃん。」
「え?」
なによ、嬉しいって。
梓は照れくさそうにしながら続ける。
「もし妬いてくれてたなら、香澄も少しは俺に好意持ってくれてるってことじゃん。」
「そ、それは......」
「好きでもないやつに、ヤキモチなんて妬かないだろ?」
それは、そうなんだけど.......
自分でもよく分からないんだけど.......

