なんでみんなしてそんなに私と梓のことをからかってくるんだろう?
「まあまあ。香澄ちゃんの意見聞かずに置いていった俺らも悪いしさ、みんなで楽しく回るかっ!」
ものすごい正論を言った矢島くん。
イライラしててもしょうがない。
せっかくの修学旅行だもん。
楽しまなきゃ損だよね!
「香澄ちゃんも、本当に素直じゃないよね。」
私の肩に手を置いた矢島くんはそう言った。
この人の目も怖いなあ.....
なんでもお見通しって目をしてる。
嘘をついても見透かされてしまいそうな、真っ直ぐな目。
気を取り直して、5人で水族館をまわりはじめる。
でも、なんとなく胸のどこかで梓のことが引っかかっていた。
ひとりにしちゃったけど平気かな?とか。
誰といるのかな?とか。
探してくれてるんじゃないか?とか。
考えるな、考えるなって何度心に言い聞かせても無駄だった。
結局バスに乗る時間まで、梓とは合流できなかった。
次に梓にあったのはバスの中。
先に戻っていた梓は、私たちを見つけると口を尖らせ、
「俺だけ置き去りなんて、冷たい奴らだな~」
と、ケロッと言っていた。
なんだかんだで、同じクラスの友達と一緒にまわったらしいけど。
でもなんとなく罪悪感。
同じ班で、梓以外はみんな一緒にいたのに。
私があそこで逃げ出さなければ.......
クラス全員がバスに乗りこみ、次の目的地へ出発した。
***
2日目が終了した。
今日の日記を少し書いて消灯。
ベッドに入りながら、今日のことを考えていた。
あれから梓とひとことも会話してない。
別に避けられてるわけではないけど。
違和感はあった。
梓が私に話しかけてこないこと。

