「あれ?黙ってどうしたの?」
「.........い。」
「ん?」
「知らないわよっ!バカッッ!!!」
「いって!」
これでもかというほど力を振り絞り、梓の右腕を平手で叩いて、私はその場から走り出す。
もうー、いやっ!!
何がなんなのかわけわかんない!
修学旅行なのに、色々ありすぎじゃない?
おかしすぎない??
もっと平和で楽しい修学旅行を想像してたんですけど!?
ひとりでまわるのもつまらないから頑張って美華たちを探すけどなかなか見当たらない。
私は制服のポケットからケータイを出し、美華に電話をかけた。
数コールのあと、美華が電話に出た。
「あら?どうしたのデート中に?」
なんて呑気に言ってるけど。
私はそんな気分じゃないのよ!
「勝手に置いていかないでよ!もう、あいつとは一緒じゃない。」
「えー!?なんでよー!」
「なんでも!とにかく今どこ?一緒にまわる。」
私が梓と一緒にいないことに驚いた美華は、今自分がいるところを教えてくれた。
美華たちのいる場所に向かう。
「まーた、喧嘩でもしたの?」
「してないわよ!てか、みんなが勝手にいなくなるから悪いんだよ!」
「えー、だってふたりきりになりたいかな?って思ってさ!」
私はそんなこと微塵(みじん)も思ってないのに!
むしろふたりきりにはなりたくなかったよ!
案の定気まずくなってしまった。
「じゃあ黒河くんは今ひとりってこと?」
「知らないわよ、あんなやつ.......」
ひとりだろうが、男といようが、女といようが関係ないし。
知らない学校の修学旅行生にでも話しかけられて、鼻の下伸ばしてるんじゃないの?

