ああ、どうしよう......
完璧に目が覚めた。
何度も何度も寝返りをうつ。
明日から、どんな顔してあいつの顔みればいいの?
絶対、あいつの顔を見るたびにさっきの事が蘇るに決まってる。
あいつの甘い声も。
照れたような表情も。
あのムードも。
そんなことになったら、あいつの顔なんて見てられないよ......
でもあいつはきっと、余裕なんだろうな。
いつもみたいに接してくるんだろうな。
それもそれでなんかムカつく。
私ばっかり引きずってひとりでドキドキしてるなんて。
「はあ......」
明日もあるし、ちゃんと寝付かないとなあ。
目を瞑ってもなかなか眠れないし。
梓はもう寝たかな。
寝付けたのかな......
こんな時もアイツのことを考えちゃうなんて。
結局充分に寝付けず、朝を迎えたのだった。
起きて着替えて、昨日と同じ場所で朝ごはんを済ませる。
ご飯を食べに行けば、あいつに会うことになる。
そう思ったら、変にドキドキしてきた。
梓は私にどんな顔を見せるんだろう?
なんて話しかけてくるのかな?
挨拶は自分からするべき?
昨日のことは触れない方がいいよね?
そんなことばっかりぐるぐる考える。
会場につくと、みんなワイワイとご飯を食べている。
会いたくはないのに、目ではあいつの姿を探していて。
探して見つけたところでどうってわけでもないし、どうなるかなんて想像つくのに。
探したくなんてないのに、なんで心はあいつのことを探しているんだろう。
「香澄?顔色悪いけど大丈夫?」
「え?あ、あー、全然大丈夫!」
昨日寝付けなかったしな.....