───パタン....





「え、ちょ、香澄!?」





「どうしたの!?顔真っ赤!」






もう寝ているかと思って、静かに扉を開け、閉めたが、まだ3人は起きていたらしい。







私の顔を見るなり、目を丸くして驚いている。







私、そんなに顔赤くなってる?






両手で頬を隠し、「ね、寝る」と3人に伝えて布団をかぶった。






未だに胸がドキドキしてる......







何だったんだ、あの空気は......






今ままでにないくらい、甘いムードが流れていた。







お、おお、思い出しただけで胸がバクバク言い始める。





不覚にも近づいてくる梓に目を閉じた私。







───ちゅ




と、梓の唇が触れたのは私のおでこだった。






ゆっくりと目を開けると、ほんのりと頬を赤く染めた梓の姿があった。






「ここでキスしたらまじで止まらなくなりそうだから。」





と、私の頭を撫でた。






キスされなくてよかったような、何か物足りないような。






複雑な心境があった。







「それとも、そんな欲しそうな顔するんなら止まらなくなるの覚悟でしてもいいけど?」





にやっと笑う奴に、私は必死で首を振った。






こんなところで止まらなくなられても困る!







それに、欲しそうな顔なんてしてない!






「でも、目瞑ってくれたってことは、期待するからね?」






期待されても困るのに。





期待なんてさせるつもり、さらさらなかったのに。





私は頷くことも、首を横に振ることもできなかった。






「遅くにごめんな。戻るか。」





甘いムードを残しながら、私達は解散した。






布団の中で、嫌でもさっきの光景が目に浮かぶ。






梓の唇が触れたおでこが熱を帯びてる。