【完】恋なんてするものか!






なにが、うん、だよ。





何に対して頷いてんの、私。






もう.......頭グチャグチャだ。







「こっち向いて?」





私の体を再び離すと、私の頬に手を当て私の目を見つめ始める。





だ、だめ.......






今、そんな目で見つめられたら......





飲み込まれてしまう。






なんでも許してしまいそうになるから.....







「お前のこと、誰にも渡したくない。」






甘い視線に、甘い声で、甘いセリフ。





激甘なこのムードに、頭がクラクラする。







「独り占めしたい。」






これでもかと言うくらい早く動く心臓。






私の心臓、壊れちゃわないかな?





大丈夫?







「そんな目で見つめるなって......我慢できなくなるだろ......」







「そ、そんなこと......言われたって.......っ......」






自分が今どんな顔してるかなんて、鏡見なきゃわからないよ......






それなのに.......そんな真っ赤な顔して.........







辛そうに、何かを我慢してるような顔で見つめられたって........






「その顔、期待するよ......?」






そんなセリフに、何も言えなかったのはなぜだろう。






ゆっくり、目を伏せながら梓の顔が近づいてくる。





綺麗な、整った顔。






時間が進むのがスローモーションになったかのようにゆっくり.......






なんでかな。





自然と私も、目を伏せていた。






これから何が起こるかなんて、誰だって想像がつく。






ついこの前、拒否したのに。





なんで今日は受け入れようとしてるんだろう........






「ホント、可愛すぎ。」






そんなセリフが聞こえた時にはもう、私は目を瞑っていたのだった。