【完】恋なんてするものか!






誰か来てしまうんじゃないかとハラハラしながらも、梓の腕の中に収まってしまってる自分がいた。






梓もお風呂上がりなのだろう。





シャンプーのいい香りがする。





........なんか、ずっとこうしてられるかも.......






シャンプーのいい香りに包まれながら、梓の温かい腕に抱きしめられ、梓が背中を叩いてくれている。






今まで感じたことのない安心感。





とても居心地がいい。





「やっべ.......」






「どうかしたの?」






「男にはいろいろ事情があんだよ。」






「バーカ。」





「バカとか言う割に、大人しいね。」






「.......うっさい。」





だって。想像以上だったから。





こんなにも、心地がいいなんて思ってもみなかったから。






不覚にも、離れたくないなんて思ってしまっているから。






もう少し、もう少しだけ、このままでいたいな、なんて思っちゃってるから。






「素直じゃないね。」





「悪かったわね。」






「強がられると、いじめたくなる。」






そう言われ、まずい、と思った時にはもう手遅れだった。






梓は私の体を離すと、じーっと私を見つめてきた。







「抱きしめられて、気持ちよかった?」






「.....」






「だから、離れたくなかった?」






「し、知らない!」





出た。梓の質問攻め。





私、これには弱いんだ。






痛いところばかりつかれるから。






「知らないことないだろ?自分のことなんだから。」







「......」







「もういっかい、抱きしめてあげようか?」






なんでそんな上から物を言う!