たとえ。たとえね?その時がきたって、しらばっくれればいいだけだし。
今このピンチを切り抜けられたことに意味はある!!
「まだ一緒にいてーけど、帰るか!」
ベンチから立ち上がり、校門へ向かう。
とんでもない放課後だったな。
今日はよく眠れそうだ。
「家まで送らなくて大丈夫だから。」
「はあ?何言ってんだよ。ひとりで帰らせるわけないだろ?」
「本当に大丈夫。私のこと、信じてくれるんでしょ?」
「ったく、そういう時ばっかりそういうこと言うのかよ。」
だって、そうでもしないということ聞いてくれないでしょ?
私だって少しくらい、自分の意見通したいもん。
いつも梓に上に立たれるなんて、しゃくだし。
「へいへい。分かりましたよ。本当に気をつけて帰れよ?」
「うん、本当にありがと。」
ふたりで背中を向け、通学路を歩きだそうとする直前。
梓は耳元に口元を寄せると、
「香澄って、案外Mだよな。」
と、囁いた。
「なっ!!」
いきなり何を言い出すこいつは。
「俺に攻められてる時、結構まんざらでもなさそうだったし?」
「そ、そんなわけあるかっ!私は至って普通よ!ふ・つ・う!!」
「ふーん。でも俺は、攻められて顔真っ赤にしながら照れてる香澄も好きだけど?」
お願いだから今日はもう帰らせて!
これ以上ドキドキしたら本気で心臓止まりそう。

