声の主に、ミナは目を見開いた。
そこに現れたのは、梓だった。
怒りのオーラをまとって、ミナの目の前に立った。
「あ、梓.......これはね、そのー......」
「黙って聞いてたら言いたい放題だな。」
普段より一段と声が低い。
怒っているのが誰でもわかる。
「ち、違うの!香澄ちゃんが私のことを悪くいうんだもん。そこに友達も加わってふたりから悪口言われたの!」
さっきの態度とはまるで違う。
すがるように梓に話をしている。
呆れて声も出なかった。
「そうなの?香澄。」
私に目を向けた梓。
怒ってるわけではなく、ただ疑問そうに。
私は何も言わず首を横に振った。
だって、私はそんなことしてない。
確かに、ミナはひとりで私は味方してくれた美華もいた。
だけど、ひどい事言われてたのは私の方......だよね?
私の勘違いじゃないよね?
「だってよ?香澄は悪口なんて言ってねーと。」
「な、なんで香澄ちゃんの言葉は信じるのに私のことは信じてくれないの?」
うるうると瞳を揺らしながらミナは梓に訴える。
「香澄は嘘つかねぇから。」
「私だって、嘘ついてないよ!信じてよ、梓..........」
「彼氏に秘密で俺のところ来てたようなやつの言葉、香澄より信じられると思ってんの?」
「っ......」
「確かに、断らなかった俺も悪いけどさ、俺はもうこいつ一筋なの。」
と、私の方に手を回した。

