なにか、何か言い返さなきゃ。
このままじゃ、ミナに言いくるめられてしまう。
そんなこと、絶対に嫌だ。
「梓なら自分のこと構ってくれると思ったの?残念ね。あんたはこれから先もずっと独り身よ!」
働け!私の頭!
何か言うことを考えなきゃ。
言い返さなきゃ。
「あんたは、そこら辺に転がってる飢えた男の相手してるくらいがちょうどいいわよ。」
悔しいのに。
負けたくないのに。
言葉が見当たらない。
ミナだって、浮気していたくせに。
彼氏いて、浮気相手が梓なくせに。
そんな偉そうなこと、私に言える立場じゃないのに。
全部言ってやりたいのに。
イライラしすぎて、目に涙がたまる。
「可愛そうだよね~、今まで彼氏もいたことなくて、同性から好かれてたんでしょ~?私だったら耐えられないな~!!」
お願いだから、それ以上何も言わないで。
そんなこと、自分でいちばんよくわかってること。
「女の子なのに王子様なんて言われて、男子からも女として見られなかったんでしょ?せっかく女の子になれると思ったけど、梓にも捨てられる運命なんだもんね!」
「.......くっ......」
必死に涙をこらえて。
ここで泣いたら負けだ。
全部認めたことになる。
全部ミナにもっていかれてしまう。

