アイツの一言で、私は大声をあげてしまった。
自己紹介で案外盛り上がってるクラスメートは、私の叫び声を特に気にすることなく、自己紹介を続けていた。
私は両手で頬を抑えた。
顔が赤いって?
「冗談やめてよ。」
「んな冗談言ってどーすんだよ(笑)」
黒河は、ものすごいおかしそうに笑いをこらえてるし。
な、なんで私顔赤くなんてしてんのよ。
「お前さー。」
「な、なに!」
「おもしろすぎ。くくっ......」
なぜかひとりでツボってるし。
どこがどのようにおもしろいのでしょうか。
詳しく説明の方、していただいてもよろしいでしょうか。
「からかうのもいい加減にしてよね!」
「あんた、からかい甲斐あるんだもん。」
「調子乗ってんじゃないわよ!」
あー!ムカつく!
イライラする!
私、こいつとはことごとく合わない気がする。
自己紹介どころじゃない!こんなの。
「遠藤香澄、だっけ?」
「何。」
「香澄。」
「っ..........」
い、いきなり呼び捨てとか何!
なぜか、胸がドキドキしてるし。
........ドキドキ!?
いや、ありえない。
してない。
呼び捨てとか、慣れてるし。
男友達なんて何人もいて、ほとんどのやつが私のことを呼び捨てしている。
だから、こいつに名前を呼ばれようと私にとったら関係のないことで。
「これから1年間、同じクラスメートとして、よろしくな?」

