海で私が梓にパーカーを借りたこと、美華が知ってたなんて。
しかも今日までそれを覚えていたなんて。
「買った~、なんて嘘ついて!隠すなんてもっと怪しいんですけどー!」
バレてたわけね........
まあ、よくよく考えれば海にあんなオシャレなパーカーが売ってるわけないんだけどね。
「別に隠してたわけじゃ.......」
「ふたりきりでなにやってたんだか?」
そんなことを言われ、あの日のことが蘇る。
しかし、考えたところで頭をブンブンと振りあの時の光景をかき消す。
あ、危ない......また余計なことを思い出すところだった。
「顔真っ赤にして~!まさか、一線越えちゃった??」
「んなわけないでしょ!!」
こうなると止まらないんだから.......
何を言ったって自分の言いたいことを言われる。
「これからが楽しみだねッ!」
「これから先も何も起こりません!」
いちばん遠くにいる梓に目を向ける。
だるそうに頬杖をついて外をボーっと見つめていた。
なにか、考えてるのかな?
普段、ヘラヘラしているからこそあいつが真面目な表情をしたりすると本気で悩んでいるんじゃないかって不安になる。
不安になったところでどうなるとか、何が出来るとかそういうわけじゃないんだけど。

