いわゆるふたりは“両想い”なのだ。
だけど鈍いふたりは実はお互い思われてて両想いだなんて知ることはなくて。
そんなふたりに板挟みにされてる私は、楽しくて仕方ない。
どっちかが勇気を出して気持ちを伝えれば、ふたりは晴れて恋人同士になれるということだ。
「そんな好きなら告白すれば?」
「無理無理無理無理無理!絶対無理!」
即答!?
そんな本気で拒否しなくても.....
だって両想いなんだから。
って心の声は漏らさないように心の中で留めた。
美華もそうちゃんも、可愛いなあ。
恋をすると女の子は可愛くなるって誰かが言ってたけど、本当なんだなあ。
普段では感じない可愛さを感じる。
「香澄は彼氏とどうなのよ!」
「はっ!?彼氏!?」
いやいや.......勘違いしないで。
彼氏なんていないから!
できてないから!
いきなりなんでそんな話の方向に進んだわけ?
「えー?まだなわけ?」
「何がよ!」
「黒河くんと♡」
「......」
「顔が怖い!香澄!」
語尾にハートマークまでつけた美華に白々しい視線を送るとそう言われた。
美華はずーっと私に梓のことを推してきて。
しつこいったらない。
梓とは、夏休み中ちょくちょく電話が来ていた。
特にバイトもしていなく、暇だった私は電話がかかってくると出て話をした。
仲が深まったのは確かかもしれない。
だけど、そんな彼氏なんていう存在では全くない。
「黒河くんからパーカー借りたくせに!」
「なんで、それ!」
「私に嘘つこうなんて100年早いのよ!」

