長かったような、短かったような夏休みが明けた。






この夏休み、色んなことがあったな。






思い返すと、夏休みの思い出が蘇ってくる。







「ねえ、にやにや気持ち悪い。」






「ひどっ!」






始業式を終え、ホームルームの時間。






配布物を配る先生。






周りはガヤガヤとうるさい。





そんな中、私は隣に座る美華に厳しくそんな言葉をかけた。







「だって、少し顔見えたんだもん!ダメ。どうやったって頬の筋肉が緩む。」







「美華、そんなキャラだったっけ!?」






「恋する乙女はこうなるのよ!きっと。」






なんと、美華には好きな人ができていた。






カミングアウトされたのは、一緒にでかけた夏祭りの日。







『実は........』と、打ち明けられた内容は、美華がそうちゃんに片想いをしていること。







聞いた時はびっくりしたけど、でも妙に納得がいったのはお互いを知っているから、瞬間的に“お似合いだ”って思ったから。







きっと、美華とそうちゃんが付き合えば絶対長続きするいいカップルになると直感で思った。







「カッコイイよね、松崎(まつざき)先輩。幼なじみだなんて羨ましすぎる!」







松崎っていうのはそうちゃんのこと。






そうちゃんこと松崎蒼介(まつざき そうすけ)。








でも、美華から片想いの話を聞いて何が驚いたかって、実はそうちゃんからも美華のことが気になるって聞いていたこと。