それでも気にしてたら楽しめないって思ったから気付かないふりをしていたのに。
バカみたいなやつはこうやって声をかけてくる。
こんなんだったら女の子に囲まれた方がまだマシだ。
「へえ、意外に強気な感じ?」
「嫌いじゃないけど。そういう感じも。」
聞いてねーよ。
しつこくて顔に出る。
「友達、待ってるんで、離してください。」
語尾を強くして訴える。
しかし、しつこいふたり組は聞く耳すら持たない。
ふつふつと怒りがこみ上げてくる。
まだ、このふたり組だったら私の力で倒せるかもしれない。
身長は高いけど、筋肉はあまりなさそうだし。
なんて言ったって、男と女の力の差はそんなに簡単なものではなかった。
力いっぱい肩に組まれた手をどけようとしたが、それすら出きなかった。
「いい加減にしないと、ここで大声で叫びますよ?」
「えー、なんでー?俺ら遊ぼうって言ってるだけじゃーん。」
なんて、ヘラヘラ言ってる。
本気で大声で助けを呼ぼうとした、その時。
「俺の女になーに手出してんの?」
そんな声とともに、私の肩にまわっていた手がどけられた。
振り返ると、
「梓.........」
無表情で不機嫌丸出しの梓の姿があった。

