長い長い終業式をなんとか耐えきった私達は晴れて夏休みを迎えた。
とんでもない量の夏休みの課題に追われながらも3日後に迫った海に胸は踊るばかりだった。
袋に入ったままの水着を眺めては、ニヤニヤが止まらない。
あれからというもの、梓とは音沙汰なし。
話しかけてくるわけでも、連絡をしてくるわけでもない。
でも、小耳に挟んだ情報によると、今まで断ったことのない女子からの誘いをすべて断っているらしい。
まあ、私には関係の無い話だし?
夏休みにもなってアイツのことなんて考えたくもないから、この話はやめよう。
コンビニで買ったアイスを片手に、スマホで海の画像を見つめる。
とうとう3日後か.....
一緒に行くのはそうちゃんの同じクラスの男の子。
柊(ひいらぎ)先輩。
そうちゃんから、紹介された時も優しそうで爽やかな印象だった。
そして、時は過ぎ3日後。
運命の海に行く日がやってきた。
「お母さーん!どう?変じゃない??」
「ん?.......うん、大丈夫!」
自分で髪の毛をお団子にした。
美華とお揃いの髪型にしようと話し合ったのだ。
「じゃあ、行ってきます!」
「気をつけてね!美華ちゃんとそうちゃんによろしくね!」
「はーい!」
勢いよく家を飛び出した。