授業中も上の空で、授業なんて頭に入ってこなかった。
いつだって、左側に見える梓の背中をチラッと見ては目をそらして。
そんなことの繰り返しだった。
悩まなくてすむって思っていたのに。
今まで以上に悩んでいる気がするのは気のせいだろうか。
「起立、礼。」
あっという間に今日が終わった。
なんにもしてない気がする。
ただ時間が過ぎてしまった感じ。
教室で荷物を詰めていると、
「よっ!香澄!」
「あれ?そうちゃん??」
教室にそうちゃんがやってきた。
「どうしたの?」
「ちょっと香澄に、提案があってやってきたのだよ!」
提案?
とても楽しそうにウキウキしているそうちゃん。
どんな楽しい提案なんだろう?
そうちゃんは、私の席の前で待っていた美華に呑気にあいさつをしている。
そんなふたりを見ながらカバンに荷物を詰めていると、
「夏休み、海行くぞ!」
と、元気よく言った。
「え、海!?行きたい!!」
海なんてしばらく行ってなかった。
修学旅行で沖縄に行くけど、それとこれとじゃ話が別!
海開きの映像がテレビでやるたびに、行きたいなって思っていた。

