ふたりで話していると、
「じゃあねー、梓~!」
と、耳に残る女の声。
聞きたくない名前が、聞こえた。
気にしないって決めたけど、あんな甲高い鼻つく声で話していたら、嫌でも耳に入ってくる。
教室に入ってきたあいつは、相変わらずクラスの女子の視線を集めながら、隣の席にカバンを置いた。
どうでもいいや、と思い美華と会話を再開する。
昨日みたいに、話しかけてくるわけでもなく、すんなり友達の元に行った黒河。
昨日のはなんだったんだ、と思いながらも特に気にしなかった。
話に没頭していたらチャイムがなり、担任が入ってきた。
朝のホームルームを終え、今日の1時間目はLHR。
「2年に進級して、クラス替えもして1年のとき別のクラスだった人もいるから、隣同士で自己紹介をしてもらいます。」
は、い?
自己紹介?
隣同士で?
「今年は修学旅行もあるし、クラスの交流を深めないとなー!」
いやいや、そんな小学生じゃないんだから。
そこまでやる必要は無いでしょ!
そんな私の気持ちなんて知らない担任は、黒板に文字を書き始めた。
隣の人との自己紹介で紹介することリストらしい。
「今から5分くらい、隣同士で話せよー!」
ちょ、ちょっと待て!
そんなことする必要があるか?

