少しでもあいつのこと、いいやつかも、とか思った私がバカみたいじゃん。
信じていいかも?とか。
本気になってくれたのかも?とか。
人間そんな簡単に変われない。
分かってたはずなのに。
だって......だって......
梓が真剣な眼差しを私に向けるから。
私の心を乱すような言葉を何度もかけてくるから。
恋愛経験の薄い私はどうしたらいいかなんて、わらないよ。
あいつの思い通りになんてならないって。
あいつの欲求を満たすだけのような都合のいい女になんてならないって。
思ってたのに。
あいつのことを好きになるなんて、断じてないと思ってたのに。
「.......くっ.......」
泣いたらダメだ。
泣いたら負け。
そうやって、自分のこと好きかも?なんて勘違いして、そうじゃないって分かって、泣くなんて。
これこそあいつの思うつぼ。
平然なふりをしてなきゃ。
騙されたって痛くも痒くもない、って顔しなきゃ。
このまま、授業サボろっかな。
これから教室戻ってまじめに授業受ける気にならない。
「はーぁ........」
大きなため息をつき、私は図書室に向かった。
図書室の担当の人に軽く会釈をして、奥に向かう。
今はひとりになりたい。
誰の目にもつかないところで、ひっそりしてたかった。
もう.......なんなのよっ!
なんで私だったの!?
あれだけ嫌いだって言ってたのに!
ほっとけって言ってたのに!

